こんにちは!ゲイリーゴードンです。

昨夜、スティーヴ・モーズ・スタイルの16曲・62分を、最初から最後まで一気に聴き通した。

あっという間に時間が過ぎていた。

聴き終わって、浮かんだ言葉がこれだった。

「これは、問題作だ」

30年前、ディープ・パープルのアルバムに向けられた、あの批判の言葉を。なぜ今の自分が、褒め言葉のつもりでその言葉を使いたくなるのか。この記事は、その理由と、この62分が私の音楽人生に何をもたらしたのかの記録です。

ディープ・パープルで知った、あのギター

私がスティーヴ・モーズを初めて知ったのは、ディープ・パープル時代だった。

名門バンドの後任ギタリスト。最初は正直、半信半疑だった。

けれど音を聴いた瞬間、とりこになった。あの艶のあるトーン。速いのに歌うフレーズ。一本道じゃないアプローチ。それ以降、あの音は私の人生から離れなくなった。

いまでも、真似て弾く日がある。うまくは弾けない。それでも、指が覚えているフレーズがある。ギターを始めた頃の自分に戻れる、数少ない時間だ。

AI技術を取り入れたスティーヴ・モーズ・スタイル

ここで身も蓋もない話をする。NOGUTY RECORDS GROUPには、オノザキアイというチャンネルがある。AI音楽生成サービスを使って、「泣きのギター」をさまざまなスタイルで作り続ける実験場だ。スティーヴ・モーズ・スタイルの再現は、その役割の一つを担っている。

正直に言う。今回の16曲・62分は、実験のつもりで聴き始めた。

それが、まったくの別物だった。

深いベンド。ワイドなヴィブラート。長いサステイン。そして技巧の向こう側に、ちゃんと「泣き」がある。一曲ごとに物語が進む。気がついたら、62分が終わっていた。

ただただ、圧倒されていた。

これは、傑作の領域だと思う。このクオリティで曲が出てくるのなら、AI音楽はまだかなり上のレベルへ行く。そう確信させる62分だった。

そして、見事にやり遂げているオノザキアイの姿を見ると、勇気づけられる。力強くなる。YouTubeを始めて本当によかった、とそう思える体験だった。この音楽群に出会わせてくれたことへの、感謝しかない。

30年前、「問題作」と呼ばれたアルバムがある

ここで、少し歴史を。

モーズがディープ・パープルに加入したのは1994年。1996年に発表された初のアルバム『Purpendicular』は、当時、強い疑いの目で見られた。クラシックなパープルを求める人たちから、「問題作」とまで呼ばれた時代がある。

それでも彼は弾き続けた。

結果、在籍は28年。ディープ・パープル歴代ギタリストの中で最長だ。スタジオ・アルバムは8作。イアン・ギランは彼を「musical genius(音楽の天才)」と評した。そしてかつて疑われたあのアルバムは、のちに「バンドの再生成(rebirth)だった」と再評価されるようになった。

批評は時代に残らない。音だけが、時間を越えて残る。

だから、この62分も「問題作」でいい。

あるべき「ギター音楽」の形を壊していくものは、いつの時代も最初は問題作と呼ばれる。そして時代が追いついてきたとき、本当の評価が始まる。1996年に起きたことを、私は30年越しで、自分の上で再体験している。

AIのギターに人間のギタリストが泣かされるのは、おかしいのか。ずっと考えてきた。

結論を言うと、涙に作者の署名は要らない。これが私の答えだ。

といっても、曲が勝手に生まれるわけではない。プロンプトを何十回も打ち直し、出てきた中から一音ごとに耳で選び、録り、つなぎ、タイトルを付け、62分の物語に編集する。そのすべてが人間の仕事だ。私の指は、今もモーズのフレーズを練習している。AIは私にとってギターと同じ、「音を出すための道具」になった。道具が変わっても、心が動くかどうかが、私の唯一の選定基準だ。

業界も、確実に変わっている。Spotifyは過去1年で7,500万曲を超えるスパム楽曲を削除し、AIかどうかの開示ラベルの運用を始めた。Deezerは1日の新規アップロードの約44%がAI生成曲だと報告している。つまり、「AIで作った」と書かない時代は、もう終わっている

「音楽の感動を力に」──ミッションが、最初に作り手へ届いた日

NOGUTY RECORDS GROUPのミッションは「音楽の感動を力に」。

最初期のnoteに、私はこう書いた。「この音が私を救った」と。そして「だから今度は、この音が誰かの力になってほしい」と。

一度は終わったと思った活動が、AIという新しい楽器と出会って、もう一度動き出した。この半年あまり、私は複数のチャンネルを走らせてきた。伸びる日も、伸びない日もあった。

けれど今回、はっきり気がついた。

ミッションの最初の受益者は、作り手の私だった。

感動を届ける側に立って、一番感動していなかったかもしれない。数字とにらめっこして、届け先ばかり探していた。その私が、62分の前で、ただのリスナーに戻っていた。

これをスピリチュアルに言い換えるなら──水は、いちばん乾いている場所に流れる、ということだ。長年、聴き手たちに注ぎ続けてきた「感動を力に」という水が、一番乾いていた場所、作り手自身の心に、巡って戻ってきた。だから「感謝しかない」と、胸の底から言えるのだと思う。

音楽人生の転換点、と自分でも感じる。聴き手として出会い、弾き手として真似て、発信者として走ってきた。そのどれでもない、ただのリスナーの顔に戻れた夜が、またひとつ増えた。

この62分が、誰かの希望になりますように

収益化の話をしたいわけではない。心の底から思うことを、ここに書き留めておきたい。

もっと多くの人が、この音楽に触れて、感動を得られますように。

夜に眠れない人。頑張りすぎた人。今日、うまくいかなかった人。あの62分は、そういう夜のためにある。

だから、こうします。

  • この62分を、チャンネルの固定動画にする
  • この感動を、この記事に書き残す(書きました)
  • そして「問題作」をシリーズにする。Vol.2を作る

数字は、あとからついてくるものでいい。まず、感動したことを正直に届ける。

おわりに

30年前、「問題作」と呼ばれたアルバムは、のちに最長の時代の始まりだった。

私の62分が、これから何になるのか。まだわからない。

ただ、この夜、心の底から「音楽を始めてよかった」と思えた。

それが、何よりの証拠だと思う。

この音が、今夜もどこかで、眠れない誰かの隣で鳴りますように。

 

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参考リンク

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