【木軸ペンの材料と自作】

~自然素材と向き合う、世界にひとつの筆記具~

こんにちは。ともペンです。
今日は、私が手がけている「木軸ペン」について、少し深く掘り下げてお話してみようと思います。

手にした瞬間、ひんやりと冷たい金属ペンや、軽くて無機質なプラスチック製とは違い、木軸ペンは“ぬくもり”が伝わる道具です。
そして、その一本一本には、「どんな木を使うか」「どんな思いで削るか」「どう磨き、どう仕上げるか」といった、つくり手のストーリーが込められています。

木の命を預かり、人の手に渡る筆記具へと生まれ変わらせる——。
この工程すべてが、私にとっては大切な“対話”であり“祈り”でもあるのです。


木軸ペンって、どんなもの?

木軸ペンとは、その名のとおり「木でできた軸を持つペン」のこと。
ボールペンやシャープペンシルの金属・樹脂製の芯部を、天然木の軸で包み込むスタイルです。

手に持ったときの“あたたかさ”や“手触り”が最大の魅力。
木の種類によって香りや重量感が異なり、経年変化によって表情が変わる楽しみもあります。使うほどに艶が出たり、ほんのり色味が深まったりと、育てていく道具なのです。

また、同じ木でも削り出す場所によって木目が変わるため、世界にふたつとない表情を持ちます。つまり、量産品には決して生まれない“唯一無二の相棒”になるわけです。

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木軸に使う、こだわりの木材たち

私がペンづくりに使用している木は、すべて本物の天然木材です。
ここでは、特によく使う種類をご紹介します。

◆ 屋久杉(やくすぎ)

神秘的な木目です。日本の世界遺産・屋久島で長年育った杉で、現在では伐採が禁じられており、「土埋木(どまいぼく)」や倒木から取れる貴重な材だけが流通しています。

香り高く、柔らかい手触りで、“神木”と呼ばれるにふさわしい存在感があります。小さなペンであっても、確かな重みと気品を感じます。

◆ 黒柿(くろがき)

まるで墨をにじませたような縞模様が入る、日本の伝統工芸材。樹齢数百年を超えた柿の木にごく稀に現れるこの模様は、“神様のいたずら”とも言われています。

重量感があり、仕上がるととても上品。アンティーク好きな方に好まれる木です。

◆ さくら(桜)

ほんのりピンクを帯びた優しい色合いで、滑らかな削り心地が特徴です。春の風景を感じさせるような、心がふっとほどける木です。細軸ペンにも太軸ペンにも向いています。

◆ 寄せ木(よせぎ)

異なる種類の木材を組み合わせた、いわゆる「モザイク」的な作風。デザイン性が高く、木の色味を活かした模様やストーリーを持たせることができます。

これは私自身が特に力を入れているシリーズで、「木の個性の対話」とでも呼びたくなる奥深さがあります。

◆ その他の木たち

貝塚伊吹(かいづかいぶき):香りが強く、割れやすさもあるが芯のある存在感。
ヒノキ:軽やかで香り高く、癒しのエネルギーを持つ。
欅(けやき):赤みのある艶と力強い木目。男性人気が高い木材です。

どの木も、それぞれに個性と生命力があり、仕上がるたびに新しい表情を見せてくれます。


ペンづくりの工程をご紹介

1.木の選定と下準備

最初は「どの木を使うか」から始まります。ペンとしての強度、香り、色味、そしてどんな人に届いてほしいかを思い浮かべながら木材を選びます。

次に、ペン軸に必要な寸法にカットし、十分に乾燥させます。水分が残っていると、後で割れたり歪んだりしてしまうため、この準備がとても重要です。

2.穴あけと芯部準備

ドリルで木軸の中心に芯部パーツを収めるための穴を開け、芯を接着します。ここで芯がまっすぐ通っていないと、後の削り作業が狂ってしまうため、正確さと集中力が求められる工程です。

3.削り出し(旋盤作業)

旋盤という機械に木材を取り付けて、ペンの形に削っていきます。ここが職人技の見せどころ。太軸にするか、くびれをつけるか、木目をどう見せるか……想像力と感性が問われます。

4.研磨とオイル仕上げ

ペンの表面を丁寧に磨き、オイル(主に亜麻仁油や蜜蝋)で仕上げます。この工程で木がしっとりと色づき、“命が吹き込まれる”瞬間です。


自作の魅力と、木と生きるということ

木軸ペンの魅力は、ただ「見た目が素敵」というだけではありません。
自然の素材と向き合い、自分の手で仕上げた道具には、言葉にできない愛着が宿ります。

誰かに贈るために、あるいは自分自身の相棒として。
手で削り、磨き、仕上げる過程そのものが「祈り」に似ています。

木の声に耳を傾けながら、「あなただけの一本」をつくる時間は、何よりも贅沢で尊い時間です。


さいごに:ふみペンの想い

私は「ふみペン」という屋号で、オーダーメイドの木軸ペンをつくり続けています。
お客さまの想いに耳を傾けながら、その方だけの木、その方だけの形を目指して制作しています。

「自分で作ってみたい」という方には、木材だけの販売やアドバイスも行っています。
ヤフオク出品ページやブログから、どうぞお気軽にご連絡ください。

木と出会い、木と生きる——。
そんな豊かな時間を、ペンづくりを通してお届けできたら嬉しいです。


※この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ「ふみペン ヤフオク」で検索してみてください。出品中の作品やオーダーのご相談も承っております。

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