【ハンドメイド木軸ペンの内部機構を公開】

~ともペンが使う、市販パーツとこだわりの理由~

こんにちは、ともペンです。

本日はちょっと踏み込んだテーマとして、ハンドメイド木軸ペンの「内部機構」についてご紹介したいと思います。

「え?そんなの企業秘密じゃないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、ペンの内部構造や使用パーツについては、多くの作家さんが非公開にしている部分です。

ですが、私は木工やハンドメイドをこれから始める方、また“ものづくり”に誠実に向き合いたい方のために、「透明性」を大切にしたいと思っています。
木の素材や削り方だけでなく、中身(=書くための仕組み)にもこだわることで、一本のペンが完成するのです。


目次

  1. 木軸ペンの「内部機構」とは?
  2. なぜ市販パーツを使うのか?
  3. ともペンが使ってきた内部ユニットの実例
    – ぺんてる「シュタインシャープ」
    – ボールペン:三菱「SN80 ニューライナー」
    – その他の汎用品
  4. 内部パーツを選ぶときのポイント
  5. パーツに頼らず、木軸にこだわる理由
  6. まとめ:見えない部分にも、心をこめて

1. 木軸ペンの「内部機構」とは?

木軸ペンというと、多くの人が注目するのは「軸=外見の木の部分」です。木の種類、手触り、木目の美しさ……それらはもちろん、ペンの魅力を大きく左右します。

しかし、**実際に「書く」という機能を担っているのは、ペンの内部にある「機構ユニット」**です。
シャープペンならノック式の機構、ボールペンなら回転やノックで芯を出すパーツ。この中身がなければ、いくら美しい木軸を削っても“ただの棒”でしかありません。

木軸ペンは、木と機構パーツの“融合”で完成するものなのです。


2. なぜ市販パーツを使うのか?

私は、ふみペン・ともペンの活動を通じて、これまで数百本の木軸ペンを制作してきました。
その中で一貫して大切にしているのが、**「信頼できる書き味と、メンテナンス性の高さ」**です。

そのため、内部機構には信頼ある国内メーカーの市販パーツを使用しています。具体的には、ぺんてるや三菱などの文具大手メーカーのパーツを活用しています。

なぜ市販品かというと——

  • 書き味が安定している
  • 替芯やユニットが市販されており、長く使える
  • 使用者が交換・修理しやすい
  • 自作で導入できるサイズ規格が明確

つまり、「ハンドメイドだから壊れやすい」ではなく、“ハンドメイドなのに長く使える”ペンを目指しているのです。


3. ともペンが使ってきた内部ユニットの実例

ここからは、実際に私が使ってきた内部機構の一部をご紹介します。あくまで一例ですが、制作やオーダーの参考になるかもしれません。

◆ シャープペンシル:ぺんてる「シュタインシャープ」

過去に多く使っていたのが、ぺんてる製の「シュタインシャープ」の中身。
芯径は0.5mmが一般的で、ノック式のメカニズムが滑らかです。特に芯折れ防止設計と芯送りのスムーズさ
が優れており、木軸に組み込んでも非常に相性がよいです。

内部ユニットの寸法はやや細身ですが、軸の肉厚を調整すれば安定して装着可能。
また、ノックボタンのデザインもシンプルで、木との相性も◎です。

現在は入手がやや困難になりつつありますが、品質の高さからファンの多いユニットです。

◆ ボールペン:三菱「SN80 ニューライナー」

ボールペン軸に多く使っているのは、三菱「SN80 ニューライナー」のリフィル&内部パーツ。
滑らかで濃いインク、力のいらない書き心地、そして何より芯の交換が簡単
なのが魅力。

「替芯がコンビニや文具店で手に入る」というのも、ユーザー視点では大切なポイントです。
内部構造も非常にシンプルで、木軸加工との親和性が高く、オーダー品の定番として多く利用しています。

◆ その他の汎用パーツ

  • 中国製の回転式機構(高級感はあるが精度に注意が必要)
  • メタル軸付きの輸入品ユニット(特殊なサイズが多く、上級者向け)
  • 替芯式のユニバーサルユニット(シャープ芯とボールペン芯を同一軸に)

こういったパーツも、試作や一点モノに使用することがありますが、基本的には「メンテナンス性・再現性のある国内パーツ」を優先しています。


4. 内部パーツを選ぶときのポイント

私が内部機構を選ぶ際に大切にしている基準をいくつかご紹介します。

  • ① 書き味がスムーズでストレスがないか
  • ② 芯の出し入れ機構が確実に動作するか
  • ③ 木軸への組み込みが可能か(サイズ・形状)
  • ④ 長期間使えるリフィルがあるか
  • ⑤ ユーザーが自分で替芯交換できるか

ハンドメイドである以上、「見た目」だけでなく、「使いやすさ」「手入れのしやすさ」までが含まれて初めて“完成品”になると考えています。


5. パーツに頼らず、木軸にこだわる理由

最後に強調したいのは、「パーツだけではペンは完成しない」ということです。

市販のペンでも良い書き味のものはたくさんあります。でも、それに木の命を与え、木の声を聴きながら削り出していく工程こそが、ハンドメイドの真髄だと私は思っています。

どんなに高性能な内部ユニットでも、雑に削られた木軸では台無しです。
逆に、丁寧に作られた木軸は、シンプルなパーツでもその価値を何倍にも引き立ててくれます。


6. まとめ:見えない部分にも、心をこめて

今回、あえて“企業秘密”とも言える内部機構について書いたのは、
「木軸ペン=外側の見た目だけではない」ということを伝えたかったからです。

道具とは、本来、使われて初めて意味を持ちます。
どんな素材を使い、どんな構造で組み上げたか。見えない部分にこそ、つくり手の誠実さが宿ります。

あなたが今お使いのペンも、きっとたくさんの工夫と配慮が詰まっているはず。
ともペンは、これからも**「長く愛される一本」**を目指して、見えないところにも心を込めてまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※次回は「ペンづくりに使っている工具と作業環境」についてご紹介予定です。お楽しみに!


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