【木軸ペンの魅力】時を刻むペン——経年変化を楽しむ理由とその仕組み


目次

  1. 木軸ペンとは?
  2. 経年変化とは何か
  3. 木軸ペンが経年変化する理由
    3-1. 紫外線と酸素による色の変化
    3-2. 手の脂や湿度が生む「艶」
    3-3. 温度と湿度が木に与える影響
  4. 樹種ごとの経年変化の特徴
    4-1. 黒柿:漆黒から琥珀色へ
    4-2. 屋久杉:香りと色の変化
    4-3. チーク:使い込むほど深みを増す
  5. 経年変化を美しく育てるコツ
  6. あなただけの一本になる木軸ペン
  7. まとめ:木は「生きている」——経年変化という贈り物

1. 木軸ペンとは?

木軸ペンとは、その名の通り「木材」でできた軸を持つ筆記具のこと。シャープペンシルやボールペン、万年筆などの中で、プラスチックや金属製とは異なる、自然素材の「木」を活かした特別な存在です。

木のぬくもり、手に馴染む感触、そして一点一点異なる木目。その個性は使う人の心を掴んで離しません。


2. 経年変化とは何か

「経年変化(けいねんへんか)」とは、時間の経過とともに素材が変化する現象を指します。木材製品は、この経年変化によって「味わい深さ」を増していきます。

最初は明るかった色が、深みを帯びた茶や赤に変わったり、艶が出てきたり……。これは「劣化」ではなく「熟成」とも言える変化です。

 


3. 木軸ペンが経年変化する理由

木は「死んでいない素材」とも言われ、呼吸し、水分を吸い、環境とともに生きています。そのため、以下のような要因で経年変化が起こります。

3-1. 紫外線と酸素による色の変化

木材は光、特に紫外線に当たることで「酸化」します。これにより色味が変わっていきます。
たとえば、屋久杉は初めは淡い黄土色ですが、数年で赤茶〜濃茶へと深みが増します。

3-2. 手の脂や湿度が生む「艶」

毎日手にすることで、手の油分が木肌に染み込んでいきます。この自然のワックスが、塗装では出せない上品な「艶」を生みます。いわば、手が育てる「艶」です。

3-3. 温度と湿度が木に与える影響

季節の変化や住環境の湿度の変動によって、木軸は微細に「呼吸」しています。乾燥すれば締まり、湿度が高ければふくらむ。この呼吸が、時間とともに表情の変化を生みます。


4. 樹種ごとの経年変化の特徴

4-1. 黒柿:漆黒から琥珀色へ

希少な黒柿は、黒い模様が特徴ですが、時間とともにその黒がほんのり透けるような琥珀色に変化。木目が一層際立ち、アンティークな風格をまといます。

4-2. 屋久杉:香りと色の変化

屋久杉は高い芳香性とともに、色が淡い金色から赤茶に。まるで「琥珀」が年を重ねるかのような、上品で高級感のある変化を見せます。

4-3. チーク:使い込むほど深みを増す

オイルを多く含むチークは、もともと耐久性が高く、手の脂と相性抜群。数年で、しっとりとした艶が増し、「家具のような重厚感」に変化します。


5. 経年変化を美しく育てるコツ

  • 直射日光を避ける: 紫外線は必要以上に劣化を進めるため、日当たりのよすぎる場所はNG
  • 水濡れに注意: 木は水に弱い素材。筆箱やポケットに入れる際は注意を
  • ときどき乾拭き: 柔らかい布で表面を拭くことで艶が育ちます
  • オイルケアも有効: 乾燥が進んだ場合は、荏胡麻油や蜜蝋ワックスで保湿するのも手

6. あなただけの一本になる木軸ペン

木軸ペンは、使い方・保管の仕方・手にする頻度によって、それぞれ違った姿に成長していきます。

同じ木種でも、同じ形でも、誰一人として同じ経年変化は生まれません。
「自分だけのペンを育てる」——それが、木軸ペン最大の楽しみです。


7. まとめ:木は「生きている」——経年変化という贈り物

木軸ペンの経年変化は、自然素材だからこそ味わえる「時間の芸術」です。

私たちは、日々の暮らしの中でその変化に気づき、「あ、ちょっと色が濃くなったかな?」と、ふと微笑むことができる。そんな日々の積み重ねこそが、木軸ペンとの「物語」なのです。

木は、使う人の時間とともに変わり、育ち、深まり、やがてあなただけの一本になります。

どうぞ、あなたの手で、世界にひとつだけの「育つペン」を。

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