目次

  1. ひさしぶりの作業台へ

  2. 樫の木という存在

  3. ジェットストリーム芯と“書くこと”の意味

  4. 筋肉の痛みは、魂の目覚め

  5. 「削ること」と「生きること」

  6. 再始動のペンたちへ、そして読者のみなさんへ


1. ひさしぶりの作業台へ

今日は、数ヶ月ぶりに作業台に向かいました。
何度も手にしてきたはずの工具も、しばらくぶりだと少し重たく感じます。
でも、木を手に取り、芯を選び、ヤスリをかけていくうちに、
少しずつ「自分が帰ってきた」感覚が、胸の奥から湧き上がってきました。

久しぶりに作ったのは、ふみペン2本。
樫の木を使った、太軸のボールペンです。
芯には、これまでのSN80ニューライナーではなく、
「ジェットストリーム 0.5㎜」を使用しました。


2. 樫の木という存在

今回使ったのは「樫(カシ)」の木。
とても硬く、粘りのある木で、昔は刀の鞘や神社の柱にも使われていたほど丈夫です。
製作中、手に伝わるその重みや手応えは、どこか“神聖な意志”のようにも感じられました。

木の表情は一本ずつ異なり、まるで人と向き合っているようです。
私はこの木に、自分の今の状態を投影することがあります。
「あなたは、今の私を映してくれているの?」と問いかけながら削っていく。
そんな時間です。


3. ジェットストリーム芯と“書くこと”の意味

今回、思い切って芯を「ジェットストリーム」に変更しました。
これは、ある意味で「ふみペン」の中核的な変化です。

以前使っていたSN80ニューライナーは、入手しやすくコスパも良いけれど、
書き心地は少し硬めでした。
それがどこか、自分自身の“伝えたいことが伝わらないもどかしさ”と重なっていたのかもしれません。

一方、ジェットストリームのなめらかな書き味は、
まるで「魂がスッと紙に流れ出すような」心地良さがあります。
手応えが変わったことで、「私はこれから、もっと正直に、もっと丁寧に表現していくんだ」と、
そんな決意のようなものが生まれてきました。


4. 筋肉の痛みは、魂の目覚め

たった2本作っただけなのに、腕の筋肉がかなり疲れました。
慣れていればスムーズにこなせる作業でも、少しブランクがあると
身体は正直に反応しますね。

でも、この「疲れ」こそが大事なんだと、あとから気づきました。
ずっと眠っていた「創ることの通路」が再び動き出した証拠。
体の痛みは、魂が“再起動した”合図のようでした。

削るたび、私は“戻ってきた”
彫るたび、私は“再びつながった”


5. 「削ること」と「生きること」

木を削って形にするという作業は、
どこか「自分自身の魂を削る」ような側面もあります。

削りすぎれば壊れるし、手を抜けば伝わらない。
力の加減、呼吸のタイミング、手の角度――
すべてが今の自分を表しているようで、ペンは嘘をつきません。

これは、私にとって祈りのような時間です。
たった一本の木の棒が、誰かの心に届く「道具」になるという奇跡。
それは、ただの物ではなく、「誰かの手に届く、自分の想い」なのだと改めて感じました。


6. 再始動のペンたちへ、そして読者のみなさんへ

今日作った2本のふみペンは、
久しぶりに呼吸を取り戻したような、あたたかい手触りでした。
作った瞬間、私は「ああ、まだ終わっていなかった」と確かに感じました。

誰にも届かなくても、誰か一人の心に届くなら、
私はこの手を動かし続けたいと思います。

今、少し止まっている人。
再び手を動かす勇気が持てない人。
私のように、作業台に戻ることをためらっている人へ。

もう一度、始めてもいい。
あなたのペースで、あなたの手で。
削るたびに、あなたの魂が輝き出すことを、私は信じています。


🖋最後に

ふみペンは、ただのペンではありません。
私にとっては「今、生きている証」であり、
書くことで、誰かと静かにつながる道具です。

また少しずつ、再始動していきます。
よければ、これからのふみペンを見守っていただけたら嬉しいです。

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